2014.08.01

山頂登山だけではない富士山の魅力

富士山日記第10号 執筆者 環境省 富士五湖自然保護官境事務所 アクティブレンジャー 小西

富士山のイメージは??

梅雨も明け夏本番になり、富士山も連日多くの登山客で賑わっています。

みなさん富士山についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
砂走りに代表されるように、「溶岩や砂礫ばかりの山」というイメージをお持ちの方も多いかと思います。

でも、そればかりではありません!
「富士山にはこんな場所もあるんだ!」と驚くような別の顔を見せてくれる場所がいくつもあります。
このようなイメージを持っている方が多いのでは?

自然豊かな「御中道」

富士山中腹には「御中道」と呼ばれる歩道があります。かつては富士山の五合目辺りをぐるっと一周していた修行の道でしたが、現在は一部危険区域があるため一周することはできません。気軽に楽しめるのは山梨県側のスバルライン五合目から御庭まで約2.4kmです。

スバルライン五合目から少し歩道を歩くだけでも、ぐっと静かになり、突然視界が開け富士山頂を臨むこと事ができます。
そしてカラマツ、ダケカンバの樹々、シャクナゲをはじめコケモモと言った可愛らしい花々など豊かな自然が目を楽しませてくれます。

私自身、初めて歩いた時、その豊かな自然を目にし「これが富士山の中腹?」ととても驚きました。

御中道から望む富士山頂(26年7月30日)撮影:小西
スバルライン五合目から10~15分歩くだけでこんな景色が楽しめます
樹々の緑が爽やかです(26年7月30日)撮影:小西
雪の重みで幹が大きく曲がっています。

シャクナゲ最盛期!!

そんな御中道は今シャクナゲの最盛期です!!その他にもコケモモ、ベニバナイチヤクソウなどなど様々な花が出迎えてくれます。 

淡いピンクがあでやかなシャクナゲ(26年7月30日)撮影:小西
ベニバナイチヤクソウの群落(26年7月30日)
撮影:小西

途中で目にする雪崩で倒れた樹々や雪の重みで曲がった幹を見て、自然の厳しさに思いを馳せながら歩くと、そんな中一生懸命に生きている植物達に元気をもらえる気がします。

雪崩で倒れた樹々(26年7月30日)撮影:小西
ごつごつした節はかつてこの高さが森林限界だったことを示しているそうです。(26年7月30日)撮影:小西

富士山の別の楽しみ方

日本一高い富士山頂にたどりついた時の達成感、山頂から見る御来光は素晴らしいものですが、
それと同じくらい麓や中腹にも魅力があります。

すでに富士山頂に登られた方、これから登ろうとされている方、そして五合目まで観光にいらした方みなさんに
富士山の違った魅力を発見していただきたいです。

今回ご紹介した御中道の他にも、「富士山自然休養林ハイキングコース」や「青木ヶ原樹海」など様々なハイキングコースがありますので、是非お気に入りを見つけてください!

お得な情報

スバルライン五合目「富士山五合目総合管理センター」では五合目周辺の自然解説を行っています。
(無料・事前申し込み制)