2014.08.06

8月2日(土)3日(日)富士山の混雑状況と登山者数

富士山日記第12号 執筆者 環境省 沼津自然保護官事務所 橋本

週末の人出

富士山の夏山シーズンも1ヵ月が過ぎ、8月となりました。
8月最初の週末は、あまり良いお天気ではなかったせいか、それほど混雑した様子は見られませんでした。

8月2日(土)の吉田口七合目、東洋館下の様子
8月3日(日)早朝の富士山頂の様子
8月2日(土)の富士宮口五合目の様子
8月3日(日)の富士宮口登山道、六合目から新七合目に向かう登山者

混雑はしていませんでしたが、富士登山のペースは人それぞれのため、登山道の所々で渋滞が起きていました。
富士登山で大切なことのひとつは、自分のペースを守って無理をしないことですが、周りをよく見て自分より速いペースの人に道を譲る気配りができる余裕があるともっと良いでしょう。
また、速いペースで登れる人も、ゆっくり歩く人の様子とその前後の状況を確認して、ひと声かけて抜かしていく気配りができると、より安全な登山に繋がります。

これから迎えるお盆の時期は、例年富士山の登山者が増えるので、譲り合いや気配りの心を持って、楽しい想い出となる富士登山にしましょう!

登山者数を調査しています

環境省では、平成17年度から富士山の4つの登山道の八合目付近で赤外線センサーによる登山者数調査を行っています。
調査の目的は、富士山山頂へのより正確な登山者数を把握し、富士箱根伊豆国立公園の適正な利用を推進していくためです。

富士宮口八合目の赤外線登山者カウンター
同じカウンターが他の3つの登山道にも設置されています。
このカウンターは、赤外線センサーの前を登山者が通過した時にカウントするもので、登山者と下山者のそれぞれをカウントできるようになっています。
カウンターの上の部分に付いているのがソーラーパネルで、太陽光により充電をしています。

富士山の自然環境はとても厳しいため、日々のカウンター点検を山小屋さんにお願いしており、電圧やデータの記録や、台風が近づいた時の一時撤収などの対応をしていただいています。
私たちも富士山を巡視する度にカウンターを点検しますが、しっかり閉めたはずのボルトが緩んでいたりすると、富士山の風のすごさや怖さを実感します。
また、みなさんをカウントしたデータについては、私たちアクティブ・レンジャーが定期的に回収し、登山者数発表に向けて作業を行っています。

8月1日には、7月1日~7月21日の21日間の登山者数を発表しました。
この期間の登山者数は約5.3万人で、昨年と比べて約2.6万人減となりました。
今年は残雪が多く、登山道の開通が例年より遅れたルートがあったこと、梅雨明けの時期が例年並みの7月21日で、梅雨明けまで登山に適した天候の日が少なかったことが、昨年度よりも登山者が減った理由と考えられます。
詳しい発表内容については、下記をご覧ください。
http://fujisan-climb.jp/info/20140801_tozanshasu.html

今後は、9月上旬に8月31日までの登山者数を発表する予定です。