2015.09.09

富士山の登山者カウンターとデータ回収

富士山日記第38号 執筆者 環境省 沼津自然保護官事務所 橋本)

登山者カウンター

富士山の夏山シーズンが、間もなく終了となります。(静岡県側は9月10日、山梨県側は9月14日)
環境省では、富士山の開山期間中(静岡県側:7月10日~9月10日、山梨県側:7月1日~9月14日)の登山者数を把握するために、各登山道八合目付近に赤外線カウンターを設置しています。

(富士宮口八合目池田館脇に設置中のカウンター)

このカウンターは、赤外線センサーの前を人が通るとカウントされるものです。
もちろん、右から左、左から右へ行く人をカウントしますので、登山者と下山者それぞれの人数がわかります。
充電はソーラーパネルでおこない太陽電池に貯蓄されるので、曇りや雨でもきちんとカウントすることができます。
カウントされた数値は、赤外線センサー内に保存されるので、そのデータを回収するためアクティブレンジャーは定期的に富士山に登ります。
お天気の良い日は気持ち良く回収に向かえるのですが、悪天候の日はできれば登山を控えたいのが正直なところです。(あまりにもひどい天候の時は日を変えて回収に行きます)
実際、今回は9月1日に回収する予定でしたが、その日の富士山は普通に歩けない程の暴風雨だったため、9月3日に変更しました。

9月3日に回収した時は、朝からどんよりした空模様で、五合目に着いた時には富士山頂付近に笠雲が出始めていました。
登山道を登っている最中も、その笠雲は富士山頂から少しずつ標高を下げ、元祖七合目に到着した時には、自分が笠雲の中に入っていました。

(富士宮口元祖七合目付近にて)

笠雲の中はとにかく強風です。
時には、右から左から下から上からと風や雨が吹き付けてきて、立っているのがやっとという状況になります。
バランスを崩して転んでしまうこともあるので、強風・暴風の日は登山を控えていただきますようお願いいたします。

この日は、何とか耐えられる程度だったため、カウンターに保存されているデータを回収することができました。
そのデータは、9月11日に環境省関東地方環境事務所・富士箱根伊豆国立公園のホームページで公表となります。(7月1日~8月31日の登山者数)
関東地方環境事務所:http://kanto.env.go.jp/topics.html
富士箱根伊豆国立公園:http://www.env.go.jp/park/fujihakone/
 

自然情報

宝永火口周辺で、立派なフジアザミに出会いました。

富士山の登山道(御殿場口・須走口・吉田口は五合目~山頂、富士宮口は六合目~山頂)は閉鎖されますが、五合目までは行くことができます。(富士宮口は六合目まで)
これからどんどん寒さが厳しくなる富士山ですが、装備を整えて散策を楽しむのもオススメです。