2019.09.05

8月末の富士山の様子

富士山日記第84号(執筆者 環境省 沼津管理官事務所 松岡宏明)

 皆さまこんにちは!沼津管理官事務所の松岡宏明でございます。

 富士山閉山も間近に迫ってきました。開山からあっという間に二ヶ月が過ぎ去っていった気がします。さて、先週8月29日に富士山巡視へ行ってきました。富士宮口五合目に到着し、山頂を見上げてみると、その付近の雲がとても早く移動していて、猛烈な強風が山頂付近に吹き荒れていることを示唆していました。
 五合目から標高を上げるにつれて、風速もどんどん上がり、八合目に差し掛かる頃には立っているのがやっとなほどの強風に加えて、スコリアが飛ばされてバチバチと身体にめがけて飛んでくるような状況でした。さらに、上空には異様な形をした雲が現れていました(どうやらこの雲は吊るし雲というものらしいです)。

▲上空に現れた異様な形をした雲(吊るし雲)

 状況をみて、身の危険を感じたので、山頂までは行かずに八合目で引き返して、下山しました。
 皆さんもご存知だと思いますが、富士山は標高3776mの日本で一番高い山です。そして、独立峰なので遠方の気象状況の影響も受けやすいことから、非常に雲の動きや天候等が非常に読みづらい場所です。なので、事前準備や下調べはもちろん必要ですが、現場での咄嗟の判断も必要になってきます。
 また、登山等で自然の中に入っていくことは、とても楽しいことですが、リスクがあるということも忘れてはいけません。リスクを感じたら、引き返す・下山するという選択肢もあることを認識しておいてください。
 登山時には風に吹かれてしんどい思いをしましたが、下山時に通った宝永山の風景がとても綺麗で癒されました。

▲宝永山の風景

 このように、富士山の側火山や山麓にも素晴らしい風景があるので、無理に登頂しようとはせずに、登山途中で身の危険を感じたら計画を変更してみてください。
 閉山まであと少しとなりました。最後まで登山者の皆さまが無事に下山出来ることを願っております。