2019.09.06

富士山から見える雲海

富士山日記第85号(執筆者 環境省 富士箱根伊豆国立公園管理事務所 池田興平)

 こんにちは!富士山の開山シーズンは残り数日となりました、少し寂しいですね。
今年度の富士山の開山シーズン中に私が登った中で、感動した富士山の風景を共有できればと思います。
私は富士山から見る雲海の風景がとても好きなのですが、富士山は日本で一番標高が高い山ということで条件さえ揃えばとても素晴らしい雲海に出会えることができます。
雲海とは、高い場所から見下ろしたときに層状の雲が海のように広がって見えることを指します。雲の種類は様々ありますが、最も低い位置にできる雲は層雲や層積雲です。これらの雲は約2000m以下で発生するので、一応の目安で各ルートの吉田六合目(2,390m)、須走新六合目(2,420m)、富士宮口五合目(2,380m)、御殿場新六合目(2,590m)などの標高からとても綺麗に雲海を見る事ができます。

私が今年度の富士登山で目にした美しい雲海の一つ目ですが、吉田ルートの五合目から六合目にかけての登山道を歩いていて東からの朝日がグングン上がる時間帯に雲海を見たときでした。その瞬間を人も背景の一部の構図として写真を撮ると朝日の逆光で人の影がくっきりと表れるのでとても絵になりました。

▲8月10日5時28分 吉田ルート六合目付近

 吉田ルートの本七合目にある鳥居ですが、雲海が見られる条件で撮影をすると鳥居と雲海のセットが美しく映えて幻想的な写真を撮ることができました。

▲8月17日8時54分 吉田ルート本七合目

最後に下りの八合目ですが、斜面を見下ろす様な視点になるため、登山道を見通した先に雲海が広がっている景色は、陸から見える広大な雲の海そのものだなと感じました。

▲8月17日12時48分 吉田ルート下山道八合目

いかがだったでしょうか。素敵な雲海に出会えるタイミングを予想するには、前日の天気予報で雲が低い位置にあることや、霧が出るなどの予報があれば、雲海を見られる可能性が高いです。また山の天気は急変しやすいので悪天候時に身を守れる準備をして登るようお願いします。