2019.09.30

2019年富士山シーズンを終えて

富士山日記第88号(執筆者 環境省 富士箱根伊豆国立公園管理事務所 石川拓哉)

普段は箱根にある事務所で仕事をしています。
夏山シーズン中、富士山は雲に覆われあまり姿を現してくれません。それでも時々、箱根外輪山の向こう側にその雄大な姿を仰ぎ見ることができ、そんな時は自然と心が和むとともに、「そういえば今日は○○くん・○○さんが登ってるな」など思ったりしています。
今シーズンの登山者数調査の結果もまとまり、環境省による現場管理の業務は一段落ついた状況です。

われわれ環境省では、富士山の現場管理は「富士五湖」と「沼津」の両管理官事務所が、協議会運営などの業務は箱根にある「富士箱根伊豆国立公園管理事務所」が担っています。
現在、主に富士山業務に携わるレンジャー・アクティブレンジャー(AR)は計8名。
ベテランから一年目まで様々ですが、シーズン中は連絡を密に取り合い、環境省施設(山頂周回線歩道(お鉢回り)、公衆トイレ等)の維持管理、各登山道の状況確認・利用者指導、登山者カウンターのデータ回収・登山者数の集計、富士登山オフィシャルサイトの運営といった業務を、連携・協力して行うことができました。

外国人登山者に利用者指導を行う小西AR
登山者カウンターを設置する松岡AR

これからは、今シーズン現場で確認したこと・体験したこと・考えたことなどを振り返りながら、「安全・快適な富士山の利用推進に向けてどのようなことができるか?」について、様々な関係者とともに議論・検討し、取り組んでいくことになります。
一つ例を挙げると、近年増加しつつある「外国人登山者」への対応が大きなテーマです。
外国人登山者に対してどのような情報を提供すべきか、またどのような方法で発信すべきか、今年3月に策定した「富士山における適正利用推進プログラム」※に基づき、富士登山オフィシャルサイトの改善も含めた取組を進めていく予定です。

多くの外国人観光客が訪れる富士スバルライン五合目(2019年8月)

また、安全・快適な登山はもちろん、富士山の文化的な魅力・自然の魅力も存分に体感していただき、より多くの人に「とても楽しかった!富士山に来てよかった!!」と思ってもらえるような環境整備を進めていくことも重要と考えています。
今年度の下半期の業務は協議会での議論・検討などが中心になりますが、今シーズンしっかりと地に足をつけて現場管理を行う中で見えてきたことを大切に、環境省として取り組んでまいります。

~リアル富士山日記~
この夏、家族とともに富士登山をしました。
1泊2日の行程で、1日目は8合目付近までゆっくりと登り山小屋で一泊。翌早朝、山小屋から清々しい御来光を拝み、美味しい朝食をいただいてから山頂へ。その後、充実感に包まれながらゆっくりと下山。天候にも恵まれ心身ともに余裕のある登山で、とても楽しく思い出深い体験となりました。

8合目付近の山小屋から拝んだ御来光(2019年8月)