開山期の富士山を振り返って(3)
富士山日記第133号(執筆者 環境省 富士五湖管理官事務所 アクティブレンジャー 半田尚人)
こんにちは!富士五湖管理官事務所の半田です。
今年も残すところ、あと1ヶ月!! 時が経つのは早いですね。
来年こそは富士山に登ろうと心に決めている方、「富士山が開山する7月までまだ半年以上あるし、準備することなんてまだ何も無い」と思っていないですか? そんなことはありません。今からでもできる準備、それは「体力づくり」です。富士山を眺めながら、低山ハイクで体力・持久力・経験値をしっかり積んで富士山に臨めば、余裕も生まれ、より富士登山を楽しむことができます。しっかりとココロとカラダの準備をして来年の夏を迎えたいですね。
さて、ここで夏の開山期を写真とともに振り返ってみたいと思います。3回に渡ってご紹介してきましたが、最終回は、僕たちアクティブレンジャーの仕事と登山者の方たちへのマナーのお願いです。
富士山でのアクティブレンジャーの業務
開山期間中、我々アクティブレンジャーは毎週のように富士山に登りますが、その多くは八合目に設置してある登山者カウンターの点検とデータ回収が目的です。また、箱根や沼津のレンジャーとも協力して、連休などの繁忙期を狙って週末巡視を行ったりします。右下の写真は、山頂部が荒天で撤退する最中、下山者の安全のために声掛けする様子です。
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ゴミは家まで持ち帰って!!
左下の写真、単なる置き忘れゴミや飛ばされゴミと違って、明らかな不法投棄で悪意を感じます。しかもこれは開山準備で登った6月に発見したゴミで、閉山中に登った登山者によるものと思われます。「閉山中だろうが登山をするのは個人の自由」と言って登る人もいますが、はっきり言ってこんな事をする人に、富士山に登る資格はありません。
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一方、右上の写真は「富士山をきれいにする会」のボランティア活動でスバルライン五合目の清掃活動をした際にバスプールの擁壁下で見つけたポイ捨てゴミの数々です。タバコの箱や飲み物のカップ、プラスチックトレーなどです。ごみ問題は登山者だけではありません。観光客や観光事業者も含めたひとりひとりが当たり前に取り組むべき基本的な課題です。
ウ○チはトイレでして!!
写真を出すべきか悩みましたが、今年、何度かあったので、敢えて書くことにしました。吉田ルートの下山道は八合目下江戸屋を過ぎると山小屋はなく、七合目の最下部までトイレ施設は全くありません。そのため、耐えきれないのか、下山道の途中で用を足された跡に遭遇する事があります。我慢し切れない気持ちは分かりますが、時には緊急避難用の石室の中に痕跡が残されていることもあります。台風等で命からがら逃げ込んで来た避難場所にウ○チがあったらどういうことになるか想像できますか? また、排泄物の処理を誰かがしなければならないことを分かっていますか?「緊急避難所」であってトイレではないことを外国人の方にも分かるように、管理者である山梨県にも対策をお願いした上で、応急措置として注意喚起の看板を貼りました。
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最後に
最後はあまり見せたくない汚い一面もお見せすることになりましたが、いかがでしたでしょうか。
「来年こそは富士山に登りたい!!」という人は、ぜひ富士山のことをより深く知り、体力づくりも含めてしっかりと準備をして下さい。来年夏、元気な姿で富士山にてお会いしましょう!
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