2025.08.25

御来光だけじゃない!富士山で見える風景-須走ルート

富士山日記第130号(執筆者 環境省 富士箱根伊豆国立公園管理事務所 アクティブレンジャー 三浦雄大)

皆さんこんにちは!
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三浦です。
富士山が開山して、早1ヶ月が経ちました。
あなたは、もう富士山には登りましたか?
「これから登るぞ!」と準備に励んでいる方もきっと多いことでしょう。

さて今回は、富士山の利用状況を確認するために、須走ルートの巡視をした際に出会った富士山ならではの景色をご紹介します!
富士山からの景色というと、多くの人が御来光を想像するのではないでしょうか?
もちろん御来光はとっても美しいですが、それだけではないのです。

まずは七合目(標高約3090m)から見えた雲海です!

  
▲雲の上の世界!まさに天空!

続いて本七合目 (標高約3200m) からの景色です。
日が傾き始めると雲海や地表に富士山の影が浮かび上がってきました。「影富士」です。

▲影富士が見えてきました!富士山のきれいな三角の影が見えますね!

しかしこれはまだ序の口。しばらく空を眺めていると、空の色が変わるにつれて
どんどん影が伸び、しまいには海の上まで…

▲大きな影富士と雲海、夕焼けのコラボに時間を忘れるほど見とれてしまいました。

大きな影富士と影のてっぺんから伸びる、反薄明光線(裏御光)も見ることができました。
まさに、マジックアワーです。山小屋で絶景を楽しみながら一息ついているうちに、
まだまだ景色は変化していきます。

しばらくすると影富士は消えてしまったものの、今度は空が燃えるように赤く染まってきました。

▲夏の空ではよく見る夕焼けも、なんだか一味違います

自然が作り出す、息をのむような息をのむようなダイナミックな景色に、山小屋宿泊者はもちろん、
道行く登山者も足を止めて景色にくぎ付けになっていました。

翌朝の早朝、山小屋の外へ出ると眼下には山梨県、静岡県、神奈川県の夜景が広がっていました。

▲まるで光の海。時刻は午前2:20、この時間まで明るいことに驚きです!

こんなにも広範囲の夜景を眺められるのも富士山ならではの光景です。
写真のタイミングでは雲がかかってしまいましたが、空には満点の星も!
このように、富士山には御来光以外にも楽しめる景色がまだまだ伝えきれないほどたくさんあるのです。

山頂への道を急ぎたい気持ちもよくわかりますが、富士山で見られる景色はどれも特別なものです。
景色へ目を向けつつ、ゆっくりと登山を楽しんでみてはいかがでしょうか?きっと特別な体験ができるはずです。

ゆっくりと登ることで高度に体を慣らすことができ、高山病の予防にもなりますよ。

▲御来光を見るために山頂を目指す登山者。無理な追い越しはせず、ゆっくり行きましょう!