2022.06.03

登山行程

安全で快適な富士登山のためには余裕のある行程の計画を!

富士山では、高山病によって登頂を断念する登山者が多くなっています。
登山初心者による「弾丸登山」と呼ばれる0泊2日の登山や、日帰り登山など短時間で高度を上げたために、高山病を発症したと見られます。
 
最近は、ゆっくりとしたペースで登る2泊3日の登山も増えてきましたが、まだまだ日帰り登山が多くを占めています。安全で快適な登山を楽しむために、途中で1泊するようなゆとりある登山行程を計画することが必要です。
 
また前日の寝不足になりがちな夜間登山では、疲労やケガも増えますので、無理のない準備をお願いします。
登山ルートによって特徴が異なるため、自分にあったルートを選択することも必要です。
  • 山頂を目指す場合は、できるだけ途中の山小屋で1泊しましょう。未明に出発することになるため、早めに山小屋へ到着し、できるだけ長い時間休憩と仮眠をとりましょう。
  • ご来光は、登山道の途中でも見ることができます(富士宮ルートを除く)。富士山の魅力は山頂のご来光ばかりではありません。前日の夕刻に山小屋に到着してグッスリと休めば疲労も回復し、山頂付近の登山道の混雑も避けることができます。

登山道が開通しているか確認を!

開山してすぐの7月上旬は、残雪の状況等により登山道が開通していない場合もあります。
必ず、開通状況の確認をお願いします。

週末は大変混雑します!

深夜の吉田ルート八合目付近
登山シーズン中は、7月下旬から混雑が始まり、特に週末が混雑します。平日にゆとりある登山を楽しむための行程を組むなど、利用の分散にご協力をお願いします。
 

山小屋の確認と予約は忘れずに!

山小屋は混雑時、予約をしていないと宿泊ができない上、荒天時であっても雨宿りや休憩ができないこともあります。また24時間対応でない山小屋もあるので、予め山小屋に確認し、予約しておきましょう。

ゆとりある登山計画を!

下山時は疲労や膝の痛み等のために標準以上の時間がかかり、日暮れになることもあります。ゆとりある行程で計画しましょう。
  • 山頂を一周するお鉢巡りは90分程度かかります。お鉢巡りをする場合は、下山の体力と時間のゆとりが必要です。
  • 吉田ルートの八合目や御殿場ルートの七合目を過ぎると、下山道には山小屋がありません。2泊3日の行程を予定している場合は、下山時に利用できる山小屋を確認しておきましょう。

御殿場ルートの登りは健脚向き

御殿場ルートは山小屋が少なく長時間の登山となるため健脚向きです。
  • 御殿場ルートは他のルートに比べて登山者が少ないため、静かな登山が楽しめます。ただし標高差の大きな長時間の登山になるため、疲労して夜間になっても山小屋にたどり着けずに、救助要請する登山初心者もいます(五合目から最初の山小屋のある七合目まで標準で6時間以上)。
  • 御殿場口山頂を目指す場合は、出発点の標高が高く、途中に山小屋もある富士宮口五合目からスタートするコースもあります(通称「プリンスルート」。富士宮口五合目から宝永火口経由御殿場口七合目まで標準160分)。