2019.08.16

富士山週末パトロール@吉田ルート

富士山日記第80号(執筆者 環境省 富士箱根伊豆国立公園管理事務所 池田興平)

先週末の3連休の初日(8月10日)に吉田口登山道の週末パトロールを行いました。この三日間は山の日も含まれるため開山期の中で最も混雑が予想される期間になります。混雑状況を把握するため、出発時間を早めに設定をして朝6時には吉田口六合目に到着し、そこで利用状況の確認を行いました。富士山六合目安全指導センターでは富士山保全協力金の呼びかけに応じ多くの登山者が協力していました。

▲富士山六合目安全指導センターの様子

ちなみに当日の天気ですが、登り始めは上空には雲一つ無い快晴に恵まれて六合目付近からは見事な雲海が広がっていました!

▲吉田口六合目からの雲海と朝日

昼頃になると雲が増え太陽が隠れることもあり、夕刻に近づくと霧も出てくるようになりました。このように富士登山をしていると一日を通してコロコロと天候が変わるので、天気予報で晴れ予報であっても充分な準備をして、気温や天候に合わせて服装を変えられるようにしておきましょう。 週末パトロールでは巡視しつつ登山道に落ちているゴミを見つけ次第拾っていきます。 吉田口五合目から吉田口六合目にかけては比較的ゴミは少なく、吉田口七合目より上からゴミが増えてきた印象です。 ゴミを拾っている最中には登山客の方から「ありがとう」と感謝の言葉を頂けることがあります、富士山の清掃をしていてやり甲斐を感じる瞬間でもあります。

▲ゴミ拾いの様子(吉田ルート七合目付近)

山小屋の方に登山者の利用状況についてお話を伺ったところ、「今年は雨が続いていたので例年より登山客が少ない印象」とおっしゃっていました。実際に登山道から周りを見渡したところ朝から昼にかけては混雑というほどではなかったように感じました。しかし山頂には人の数が格段に増え大賑わいでした、晴れている時間帯の山頂に限っては肌寒くなく快適な気温で過ごすことができました。下山時にはまた長時間歩く労力と技術がいるのでしっかりと英気を養って出発してください。

▲富士山頂付近の登山者の様子

そして、今回の週末パトロール中に拾い集めたゴミは、事務所に持ち帰り分別を行いました。 赤い線で囲ってあるゴミが可燃ゴミ、青い枠で囲ってあるゴミが不燃ゴミです。

▲8月10日に拾ったゴミ (計3.8㎏)

可燃ゴミは、カッパや手袋、帽子などがありました。不燃ゴミはトレッキングポールの部品、傘の骨組み、鉄板などがありました。 登山者が富士山を登り終えて楽しい思い出を持って帰ると共に、自ら出したゴミも持ち帰ることが出来れば、多くの方がより快適に富士山を楽しめると感じました。