2021.07.31

富士山週末パトロール 富士宮ルート

富士山日記第95号(執筆者 環境省 富士箱根伊豆国立公園沼津管理事務所 刑部美鈴)

4連休週末巡視に行ってきました!

7月22日からの4連休、22日(海の日)と23日(スポーツの日)に富士宮口から登山者の方々の状況を見るために週末巡視に行ってきました。
富士宮口から上がる登山者は、連休初日ということもあってか7月10日の開山以降一番の混雑ということでした。

水ヶ塚駐車場 皆さま協力金と検温に並んでいます
登山道を上がっていく登山者の方々 富士宮口八合目付近

コロナ渦での登山ということもあり、登山者はマスクを着用していたり、各山小屋も密にならないように宿泊人数を絞ったり、アクリル板を配置するなどの対策を行っておりました。今年度はコロナということもあり、山小屋に宿泊する場合は必ず事前に予約をしてから登山をしてください。

22日、23日のお天気は良く八合目からは沈んでいく夕日がきれいに見えました。満月が近かったこともあり、夜は町の夜景と満月がきれいに見え、日帰りの登山では味わうことのできない富士山をゆっくりと楽しむことができました。

富士宮口八合目からの夕日 こういう景色は泊りでないとなかなか見られません
富士宮八合目からの夜景 

びっくりしたのは、八合目から見ていて夜の8時にもかかわらず上がってくる登山者がいるということでした。 富士宮口は4つの登山口の中でも一番標高が高い所にあります。コースタイムでも五合目から山頂までは休憩含めず5時間半程。 夜の8時に五合目を登り始めても、深夜2時頃には山頂につきご来光までの約2時間半ほどの時間を、山頂で風にさらされながら待機することになります。汗で濡れた服で長時間強風にさらされたら、どうなるでしょうか? 低体温症の危険が増し、命の危険にかかわります。 ご来光登山は夜暗い中を歩くため、足元や周りの状況がわかりずらく、また寝ないで登るということにより疲労がたまり、思わぬケガにつながる恐れもあります。無理な弾丸登山は絶対に行わないようお願いいたします。

23日は1時半に八合目を出発

翌朝は山頂でご来光を見る登山者は1時半頃に富士宮口八合目を出発していました。私たちもご来光時の山頂の様子を見るために、1時半に八合目を出発しました。 ヘッドライトをつけながら、ご来光を見るために上がる登山者の方々もそれなりにいらっしゃいました。

山頂でのご来光目指して登る登山者
成就岳付近でご来光を待つ登山者達

4時半過ぎに太陽が昇ってきました。登山者の方々は写真を撮ったり静かにご来光を眺めていました。 こういった美しい景色がみられるのも登山の楽しみの一つですよね。毎日日が昇って沈んでいく、同じことの繰り返しのようで、毎日違う景色がみられるのもまた山の魅力の一つであり、そういった景色が見たいから山に登るのかもしれないですね。 ただ、美しいご来光は場所や時期によっては山頂までいかなくても見ることができます。連休中や週末、お盆などの時期はご来光を山頂で見る人が多く密になるので、特に今年度は混雑している場所や時間をさけるという意味でもご来光は山頂ではなく山小屋付近などで、そして日が昇ってから山頂を目指すというのもよいかと思います。

山頂から見るご来光
雲海が出ていて、はっとする美しさでした

山頂の様子

ご来光後の山頂はかなりの人でした。剣ヶ峰には日本最高峰への登頂を待つ人の列ができていました。 休憩中はマスクを着用する、隣の人との距離をある程度保つなどの感染対策を行い、安全に富士登山を楽しんでください。 なお、山頂付近にはジュースやビールの空き缶、使い終わった酸素の缶が捨てられ、使用したマスクが落ちていました。ご自身で出したゴミや持って来たものは責任をもって自分で持ち帰るようお願いいたします。ゴミは土にはかえりません。それを拾って下まで運ぶ人たちがいるということを忘れないでください。

休憩する登山者の方々
ご来光後の山頂付近の様子
剣ヶ峰への登山者の列

影富士が見えました!

きれいな影富士がみられました

お鉢めぐり中に影富士を見ることができました。富士山に登ると富士山は見られませんが、影富士がみられるのは富士山に登った人だけですね! 調べたところ影富士は、五合目より上、日の出から数時間の間と日没前の数時間の間に出現するそうです。

感染症対策について

今年度コロナ禍での登山となりますが、感染対策を行い安全な登山を心がけてください。無事閉山が迎えられるよう、ご協力お願いいたします。

感染症対策に関する詳しい情報はこちらをご覧ください